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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 

――事情はわかった。わかったからまず鼻をかめ。


 仕方が無いから、俺は自分のハンカチを差し出した。

――でも、これ……。

――いいから。我慢してここで死なれても困る。ハンカチを気にしないで、思いきりかめ。

――うん!!


 うわあ、こいつ。笑った顔が可愛い…と思ったのは束の間で、ナツは本当に遠慮無く何度も何度も鼻をかんで。


――すっきり。ありがとう。


 鼻水でぬれしきったそれを、笑顔で返して渡そうとする。見るからに粘っている。


――い、いらない。お前にやるから。だからもう、顰めっ面は……。


 そんな時だったんだ。

 ナツの上を行く、真実の迫力ある"顰めっ面"が現れたのは。


――おいこらてめぇ。俺様の可愛い弟を虐めてたのか、あ゛!?


 ……俺は、この背の高くて黒髪の男に、初めて恐怖を感じた。

 なんだこの威圧感と、吊り上がった攻撃的な目は。

 まるで獰猛な猛獣。

 この殺気に、死んでしまいそうだ…。


――違うの。お兄…たん、僕の宝物…拾ってくれて。これ、僕に…くれたの。

 
 俺はただゴミを拾って。

 鼻水をたらすまいと本気で俺の前で息絶えそうな奴をどうにかしたくて、ハンカチを渡しただけで。

 そしてそんな汚いハンカチをもう使いたくなかったから、あげただけで。


――お兄たんと同じに……、僕にくれたの…。いじめてないの…。

 
 たどたどしく、どう見ても弟に見えないナツの訴えを、きちんと聞いているその怖い男は、途端に俺の頭をがしりと大きな手で掴んだ。

 俺……殺される!!
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