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性技のミカタ
第3章 脅威!! 改造男子
「そうかぁ。使い方には気を付けないといかんなぁ」
俯き加減で顎に手をやり思案顔になっていた正義がニヤリと笑う。

「う~む。指先にも埋め込まれておるのぉ」
「えっ!?何が?」
博士は顎を撫でながらモニターを見詰める。

「マイクロ波発生装置の様じゃ」
左右10本の指先に黒い影が映っている。

「マイクロ波?何じゃ、そりゃ?」
「一種の電波じゃ。電子レンジにも使われとる。指先に神経を集中してみるんじゃ」
正義は博士の言葉に従う。

指先からブーンという低い音が響き、携帯電話のバイブレーションの様に振動を始める。

「そうじゃ。もっと指先に集中するんじゃ」
音が徐々に高まり振動が激しくなる。

「熱っ!」
正義は指先に高熱を感じ跳び跳ねた。

「もう良い。指先から気を逸らすんじゃ」
正義は博士の言う通りにする。
振動が止まり、高熱を放っていた指先が急速に冷えていく。

「指先を高速振動させてマイクロ波を発生させるんじゃ。小さな振動ならマッサージ器ぐらいじゃが最大出力にすると振動でコンクリートも粉砕するくらいの破壊力となる。マイクロ波が発生すると熱を持つ。電子レンジも同じ原理で冷飯を温めておる」
「指先がマッサージ器から電子レンジまでか」
正義は訳の判らない納得をする。

「後は、眼じゃな」
「眼?」
「上を見て、勢いよく下を見るんじゃ」
正義は、博士の言葉通りに頭を動かす。
「違う。眼球だけ動かすんじゃ。頭は動かさず目玉だけ上から下に動かすんじゃ」
正義は再度挑戦する。

「あっ!」
眼球を動かすと、目の前にメーターや目盛、アルファベットが浮かび上がった。

「おぬしの身体の状態や周りの状況を分析して表示されとる」
「ふ~ん」
正義はキョロキョロと周りを見回す。
視野を変える度に目の前に浮かび上がる情報が変化する。
昔、観た映画を正義は思い出した。
未来から来たサイボーグが目的遂行の為、殺戮を繰り返す映画。
それに出てきたサイボーグの視界も、こんな感じだった。

「心の中で『サーモ』と唱えてみるんじや」
正義は、心の中で唱える。
視界の右下隅に、『Thermography』という文字が点滅する。
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