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性技のミカタ
第1章 脱出
「これに乗って逃げるんじゃ」
走り切った先に置いてある自転車を指差し老人が叫ぶ。

「これって自転車じゃん。大丈夫かよ?!」
文句を垂れながら荷台に跨ごうとした男の頭を老人が叩く。

「痛っ!何するんだ!」
「おぬしが漕ぐんじゃ。全く最近の若者としたら年寄りを敬う事を知らん」
男を荷台から引き剥がし代わりに老人が座る。

「何も叩かなくても。とにかく自転車で逃げ切れるのかよっ!」
ペダルに脚を乗せて男が叫ぶ。
「大丈夫だ。これは儂が改造した最強アシスト付き自転車じゃ。一漕ぎ300mじゃ」
「ホントかよ」
男は半信半疑でペダルを踏み込む。

「うおっ!」
ギュイィィィンとモーター音を轟かせ自転車は老人の言う通り駆っ飛んで行った。
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