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幼馴染と発情期
第8章 思春期
その日華織と一緒に帰った。華織と下校するのは小学生以来だ。
俺は広子の隣りを歩くが、手を繋ぐなんてそんな事は出来ないけど…。
「そういえば…おじさんに報告しないと」
「……え?別に…そんなのいいし」
「いや、約束だから!」
「…そんな約束いつしたのよ」
華織はため息をついた。
そんな話をしていると華織の足元にデカい硝子の破片が落ちているのに気が付いて俺は急いで華織の腕を引っ張った。
「あぶねぇ」
「…あ…ありがとう…全然気づかなかった」
俺はすぐに掴んだ華織の腕を離した。
今ので俺達の会話は途絶えた。
二人で黙って歩いてると華織は俺の袖の裾を掴んだ。
「どうした?」
「…別に…なんでもない」
そう言うが裾を掴んだ手を離さなかった。
そんな華織が可愛く思えた。
「それじゃあ腕動かしずらいからさ…こうするか?」
俺は掴んだ華織の手を外して指を絡めて手を繋いだ。
そうすると華織は俯いてしまった。
「あ…嫌なら止めるけど」
「…嫌じゃないから…このままでいい」
すげぇ嬉しい…。
俺達はそのまま歩いた。
華織の家の前に着いた時。
ちょうどおじさんが家から出てくるところに出くわした。
「おぉ、おかえり…あれ?二人は…」
おじさんは俺達の手に気が付いた。
「…私、今日から憲二と付き合う事にしたから」
「あぁ、なるほど……華織、よかったな。賢君、ありがとう」
ありがとう?
「うちは華織が小さい時からずっと私も家内も仕事で充分に愛情を注いでやれなかった…だから華織には華織の事を存分に愛してくれる人と付き合ってもらいたいと願ってた…賢君なら安心出来る」
「おじさん…任せてください!俺が…」
「じゃあ華織を任せたよ!おじさんはこれからまた海外にいかなければ!早く行かないと飛行機に乗り遅れてしまう!そういう事で!あ、華織。海外にいても愛してるよ!」
おじさんはそう言い残して行ってしまった。
「今、俺…最後の決めゼリフ言う予定だったのに…っつーか話の途中…」
「…お父さんいつもそうでしょ?」
「あぁ…そうだったよな…はぁ…」
「とりあえずうち入ったら?」
そう言われて華織の家に入った。