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幼馴染と発情期
第15章 王様と私


お城に来てから15年が過ぎた。


小さい頃はアラン王子と遊ぶ事がお仕事だったけど、今ではお城のメイドとして充実した日々過ごしている。


私は大きくなるにつれて、アラン王子と自分は全然違う身分だという事を意識するようになってあまり話さなくなった。


今ではあまり会う事もなくなっていた。



そんなある日の朝の事。



いつも起きる時間と同じ時間に目が覚めると同じベッドで男の人が眠っていた。


「…へ?わ…誰!?」

「………ン…やべ…朝か」

「ア、アラン王子?」

「よぉ…久しぶりだな…エマ」

「うそ…やだ…私…寝起きで…こんな格好で申し訳ございません!」


なんでアラン王子が私のベッドで寝てたのかな…


聞くに聞けないよぉ…


「俺が勝手に来たんだからいいんだよ!それより、エマに新しい仕事を伝えにきた。俺、昨日から正式に王になったんだ」

「え?お、おめでとうございます!」

「そしてエマを俺専属のメイドに指名する。毎日俺の身の回りの事と俺の指示にしたがってもらう。いいな?」

「そんな…私なんかが…」

「俺が決めた事だ。わざわざ俺様が直々に来たんだ。拒否するのは許さねぇからな。着替えたら俺の部屋に来い」


そう言ってアラン王子…ではなく、アラン王様は部屋を出て行った。


突然の事で混乱していた。



でも…正直な所嬉しかった。



こんな事誰にも言えないけど、私はアラン様の事が大好きだった。


ぶっきらぼうで強引な所もあるけどすごく優しい…そんなアラン様にいつの日にか叶わない恋をしていた。


私は急いで支度をしてアラン様のお部屋へ向かった。
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