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幼馴染と発情期
第17章 王様のメイドさん


女の子が一人残って、俺の事を黙って大きな瞳でジーッと見ていた。


「だいじょうぶ?」

「…」

その子はフイっと顔を背けて、手に持っていた作りかけのシロツメクサで作った花の飾りの続きを作り始めた。


「それシロツメクサだけじゃなくてあっちのお花も入れようよ!」

何故かこの子に喜んでもらいたくて、俺は城の庭に植えられいる花をブチブチ抜いてその子の所に持っていった。

「はい!」

「…ありがと…でもこれ抜いちゃいけないやつだよ?」

「なんで?その白いのいいんだからいいんだよ!」

「…これは勝手に咲いたやつだもん。それはお城の人が綺麗に植えたやつだから…」

「その白いお花も、このお花もみんな同じお花だからいいの!」

俺はそう言い張った。

「そっか…同じお花だもんねッ」

その子は初めて笑った。


その子の笑顔を見ると俺は心の奥がキュンとなっていた。


その時は気が付かなかったけど、これが俺の初恋だった。


名前もどこの家の子かもわからない。


そのパーティで会って以来その子と会う事はなかった。





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