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幼馴染と発情期
第17章 王様のメイドさん
私は王族ではないが、かなり裕福な家庭に生まれた。
小さい頃から何不自由なく暮らしてきたけれど、ある日両親は突然事故で他界してしまった。
私には財産だけが残ったが、親戚の財産争いが嫌になり私は財産は全部国に寄付をしてお城のメイドとして働く事になった。
メイドになった理由は住み込みで働けるから。
メイドとして働くようになり、同じく両親を亡くしているエマと意気が合い仲良くなった。
唯一の友達だったけど、エマは王様の専属メイドになってしまい、今までのように一緒にいられなくなった。
エマが昔から王様の事を密かに想ってる事を知っていたから、初めは専属メイドになんてなったら悲しい思いをするだけだと思っていたけど、王様の態度を見ているとその心配はなさそうだった。
エマと一緒に働けなくなったとほぼ同時に、隣りの国の王様が毎週のように私に会いにくるようになった。
何で私なんかが良いのかわからない。
前にも何度も違う国の王子や王様からこうして誘われた事があったけど全部断っていて、私がキッパリ断るとだいたいすぐに諦めるのに彼だけは違った。
もう半年も毎週のように会いに来てくれる。
「ここの掃除終われば少し時間出来るんだろ?」
王様のくせに私の仕事の掃除を一緒になってやり、仕事を早く終わらせて私の時間を作る。
「いい加減名前教えてくれない?」
「…名前くらいアラン王様やエマに聞いたらすぐわかるはずですよ?」
「君の事は君から聞きたい」
彼は熱心な人だった。
でも教えない。
好きになっちゃいけない。
毎回私は素っ気ない態度を取り続けた。