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幼馴染と発情期
第17章 王様のメイドさん
微かに聞こえたクロエの声に気を止めて本当に良かった。
クロエを連れて城に戻ると、なんとジャンが負傷していた。
ジャンが負傷したのは俺の判断ミスだ。俺は何度もジャンに頭を下げた。
自室に戻ると罪悪感に襲われる…。
頭を抱えて床に座り込んだ。
そもそも俺が結婚を断ったのが一番の原因だ。
あの国の方針とは合わないと思い、断ったわけだが…。
今回のような事が起きる事を予想してしっかり対策をするべきだったんだ。
自分の甘さに嫌気がさす。
「…フィリップ王様…そんなに自分を責めないでください」
クロエがそう言って声を掛けてくれた。
「俺のせいでジャンが…それにこんな事態にならなければ、クロエも危ない目に合う事もなかった」
俯いていると顔をグイッと掴まれる。
「終わった事をいつまでも気にしたって仕方ない…これからどうするかが大事だと思いませんか?この落ち込んでる間にもやる事はたくさんあるはずです…しっかりしてください」
俺はクロエの言葉で目が覚めた。
「そうだ…俺にはやる事が山ほどあった…クロエありがとう」
自室を出て俺は今回の奇襲の事故報告に目を通し、その後の対策を話し合ったり夜遅くまで対応に追われた。
俺は椅子の上でいつの間にか眠っていて朝起きると毛布がかけられていた。
机の上にメモ書きが残っていた。
"頑張ってください。あなたはとても素敵な国王です。 クロエ"
クロエからか…。
俺は飛び起きて門番の所に行った。
「昨日の晩お帰りになられました。一応、夜遅かったので止めたのですが…」
「そうか…。」
やはりクロエを傍に置きたい。
その日ジャンがなんと城の騎士に志願してきた。
騎士となると何かあれば最前線で戦わなければならない。
俺は気が進まなかったがジャンの強い意志に負けて受け入れる事にした。
ジャンが城の騎士になり、城にいるようになってからサラは毎日嬉しそうだ。
とりあえずうちの国には平和が戻った。
俺は時間が出来ると、しばらく行けなかったアランの国へ出向いた。