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幼馴染と発情期
第20章 お姫様のkiss
しばらくすると、ティナ姫は食い物を持って戻って来た。
「どうぞぉ」
「カーッ!」
人間の言葉を喋れるはずのない俺はとりあえず鳴いておいた。
っつーかこれ、うめぇ!
「おいしい?…やっぱり人間の食べ物っておいしいよねぇ…」
ティナ姫は笑顔でそう言うもののどこか淋しげだ。
「…カラス君、私ね…20歳になったら結婚しないといけないんだってぇ…」
俺はそれを聞いて、食べようとくわえていた物をぼとっと落とした。
「相手は隣の国のねエドワードっていう王子様なんだぁ…」
「ティナ姫?」
突然男の声がして、ティナ姫はぱっと立ち上がり、向こうから俺を見えないようにした。
「エドワード王子…」
「今誰かと話してなかった?」
「ううんっ、話してないよぉ」
「そう?あまり一人でどこかに行かないようにな?ティナ姫は僕の大事なお姫様なんだから」
エドワード王子…俺は何故だか初めて見たはずなのに昔見た事があるような気がしてならなかった。