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幼馴染と発情期
第20章 お姫様のkiss
乗り込もうとすると、キースは俺を止めた。
「お前はここで待ってろ」
「は?何で?」
「お前はここの王と顔が似てるらしいからな。厄介な事にならないようにだ」
キースはそう言って、牢獄の兵士の前に出た。
「交代の時間だ」
「…ん?少し早くないか?」
「時間通りだ」
「わかった…やっと少し休める…」
「長めに休んでかまわない。ゆっくり休め」
「悪いな…」
兵士はキースと番を交代した。
案外うまくいくもんだな…。っつーかこの城兵士を働かせ過ぎなのか…無用心だな!
「ザック。俺がここで見張ってるからティナ姫様とエドワード王子を…」
「おう」
っつーかティナ姫だけでいいや。
エドワードめ!ティナ姫にキスしやがって…
俺は思い出し怒りをしながら、牢獄に入って行った。
ティナ姫はどこだ?
「兄上!?」
「ん?」
エドワード王子だ。
ちっ…何でこいつが先に見つかるんだよ。
「俺はお前の兄上じゃねぇよ!それよりティナ姫はどこだ!?」
「前の兄上だ…兄上!」
エドワード王子は俺に抱き着いてきた。
「抱き着くなー!俺はそっちの趣味はないぞ!ティナ姫どこだよ!」
「それが…兄上が…ここに兄上がいるって事は…あの兄上は偽物?兄上!ティナ姫を助けて!さっき連れていかれたんだ!…俺、鎖繋がってて何も出来なくて」
エドワード王子をよく見ると、腰から壁にかけて鎖で繋がっていた。
俺は牢獄を急いで出た。
「キース、エドワードの鎖を外してやってくれ!俺はティナ姫を助けに行く!」
「え…あ、あぁ!」
牢獄から王の部屋へと走っている途中…走馬灯のようにカラスだった時よりも前の記憶が蘇って来る…
カラスになる前…俺は…ここの王だった…。