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君の弱点と私の本性
第6章 そうやって、私を

「…京」
わけがわからない、というか私いま生きてる?
「椿、おはよう」
にこりと柔らかく笑ったその表情に背後から声があがる。そうだよ、こんなかっこいい人が笑ったら大抵の女子は喜ぶよね、当たり前なのにこんなの違う
「おい獅童ー!お前どうしちゃったの!?」
「池田くん!あははは…イメチェンしちゃった」
あ、でも男子の前ではヘラヘラしてるのは変わらないんだ。
「すげーな!お前そんな顔だったのかよ!」「思った思った!めっちゃイケメンだったんだな!」
「ねー!獅童くん、獅童くん今回のテストどうして手ぇ抜いたのぉ?」「そうそう〜京くんなら1位とれたじゃん」
……………名前で呼ばれてる。
もう嫌だ、こんな気持ちになるくらいなら私は
「京、別れて」
言い逃げを選ぶ。
「椿」
渡り廊下まで走れば息が上がって立ち止まってしまった、だから背後の声が誰なのかを確認する前に後ろを振り向いた。
「?え、えーと?」
知らない人だった、誰だろう?
校則が甘いこの高校だからこその金髪に、鎖骨が見え隠れするワイシャツ、そして肌荒れ知らずな白く透き通る肌とあどけなさを残した端整な顔立ち。
一言で言うなら美形、だ。
「はじめまして、B組の六平 要って言います」
B組かぁ…いや、知らねーよなに丁寧に挨拶してんの…
「何か御用ですか」
「椿が京と別れたってきいたから、仲良くなれたらなぁ、とおもいまして」
そう言って笑う彼の顔が京と重なる所があった…気がした。
「ちょっと意味がわからない、それと私のこと名前で呼ばないで」
踵を返してあてもなく歩き出そうとすると手首を掴まれた。
「伊月さんが、好きなんです」
初対面なのに告白までされました、いや何これ罠?罠だよね?

