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白い飛沫(しぶき)
第12章 性の不一致
一方、日本で暮らす順也と志保との交際も
長続きしなかった。
やはり、育ってきた環境が違いすぎたのだ。
価値観の相違による別れだった。
順也は大学を卒業後、
家を飛び出し、執筆活動に勤しんだ。
書き上げては出版社に持ち込み、
ダメだしを食らっては、また新作の執筆を始めるという生活だった。
しかし、なにはともあれ
食っていくためにも仕事をしなければならなかった。
ある出版社からアルバイトとして、
スポーツ新聞のアダルト面や
成人誌の特集の風俗ライターとして
生計を立てていた。
生計を立てるといっても、
わずかな収入では
アパートを借りることさえままならず、
これまた出版社の紹介で、
とある後家さんの家に
居候のような形で住まいを確保した。
後家さんは江藤文江さんという
今年で51歳の女性で、
資産家で10年ほど前にご主人を亡くし、
屋敷で一人住まいであった。
屋敷には空いている部屋が何室かあったので、
学生の下宿として使用していたそうだが、
文江さん曰く、最近の学生は裕福になったせいで
誰も江藤家に下宿しなくなったそうだ。
そんな折、僕が転がり込んだものだから、
文江さんは、たいそう歓迎してくれ、
安い下宿代で3食とも賄ってくれた。
長続きしなかった。
やはり、育ってきた環境が違いすぎたのだ。
価値観の相違による別れだった。
順也は大学を卒業後、
家を飛び出し、執筆活動に勤しんだ。
書き上げては出版社に持ち込み、
ダメだしを食らっては、また新作の執筆を始めるという生活だった。
しかし、なにはともあれ
食っていくためにも仕事をしなければならなかった。
ある出版社からアルバイトとして、
スポーツ新聞のアダルト面や
成人誌の特集の風俗ライターとして
生計を立てていた。
生計を立てるといっても、
わずかな収入では
アパートを借りることさえままならず、
これまた出版社の紹介で、
とある後家さんの家に
居候のような形で住まいを確保した。
後家さんは江藤文江さんという
今年で51歳の女性で、
資産家で10年ほど前にご主人を亡くし、
屋敷で一人住まいであった。
屋敷には空いている部屋が何室かあったので、
学生の下宿として使用していたそうだが、
文江さん曰く、最近の学生は裕福になったせいで
誰も江藤家に下宿しなくなったそうだ。
そんな折、僕が転がり込んだものだから、
文江さんは、たいそう歓迎してくれ、
安い下宿代で3食とも賄ってくれた。