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白い飛沫(しぶき)
第11章 新たな恋
順也は香織との恋愛を精算して勉学に励み、
某有名私大に現役合格した。

香織と別れてからは、
何度か里中さんと肉体関係を持ったが、
昨年、里中さんが地方の大学に合格し
1年間の浪人生活に終止符を打ち、
僕の前から去っていった。

香織も里中さんも去り、
もっぱら右手が順也の恋人だった。


ある日、久しぶりに直樹から連絡があった。

『よっ、久しぶり!』

受話器の向こう側から懐かしい友の声を聞いた。


直樹も3流大学へなんとか現役合格し、
学生生活を満喫しているようだった。

『お前、今週の金曜の夜、暇だろ?』

いきなり、何なんだよ。
人を閑人扱いしやがって・・・

でもまあ、予定などない。確かに暇だったが。


『なあなあ、
うちの演劇部の女子とコンパしない?』

コンパ?そういえば小耳に挟んだが
コンパというのは見知らぬ男女が飲食を共にし、
友好を深め合うんだとか・・・

それって・・・なんだか集団見合いみたいだな。
少し興味があったので参加してみようかな。


『そうか。来るか。
よしよし、いいぞ。
実は女性陣の参加メンバーが
急遽1名増えたんだよ。
これで5対5の釣り合いがとれるよ』

なんだい、単なる頭数あわせのために
僕を誘ったのか。



当日、待ち合わせ場所に少し早めに行って、
直樹を待つことにした。

文庫本を読みながら、
JRに揺られている時のこと、
ふと、顔を上げると、
向かいの座席の女性と目が合った。
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