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向日葵を君に…
第8章 高野の気持ち

その日の帰りの電車での事。
穂高が同じ電車に乗り込んだ事に気が付いた。
シャーペンと消しゴムのお礼くらい言えばいいのに、私は気付かなかったふりをして座席に座る。
よく見ると太ってはいるけど、顔はなかなか格好良い…。
痩せてたらすごくモテただろうな。
やっぱり推薦入試に受けに来てるくらいだし、来年から同じ高校に行くことになるのだろうか…
やだ…私…まだ会って間もない人の事、どんだけ気にしてるの…。
一駅過ぎた頃、穂高が立っていた方から会話が聞こえる。
あれって…うちのおばあちゃん?
そして、何故か穂高とおばあちゃんが話していた。
あ…
混み気味の車内で掴まる所に困っていたおばあちゃんをわざわざ自分の立っていた手すりのある所まで誘導してくれたんだ。
おばあちゃん、足悪いから助かっただろうな。
私は席に荷物を置いて穂高とおばあちゃんのいる所に向かい、穂高にお礼を言っておばあちゃんを席に移動させた。
「あの子とっても気が利いて、優しい子だねぇ」
「そうだね…」
穂高は入学前から気になる存在になっていた。

