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向日葵を君に…
第11章 向日葵を君に…
三日後。
穂高の意識は戻る気配はない。
この三日間は山場だった。
何度も手術して…穂高は頑張ってたと思う。
体のほとんどが包帯で巻かれていて、それが穂高がどれだけ重症を負っているのか物語っていた。
私は三日間面会時間が始まってから終わるまで穂高にずっと付きっきりだった。
まだ意識が戻ってくるかも、いつ突然容態が急変するかもわからない。
「穂高…こんなヒドイ怪我しちゃって…意識戻って驚いて泣かないでよね…」
病室で二人だけの時に意識のない穂高に話し掛ける。
『泣くわけないだろ!このくらい平気だし』
なんて言い返してくれないかな…。
また涙が溢れて来る。
コンコンッ
ガラガラッ
病室のドアが開くと、槇野とちよ子と小さな女の子の三人が入ってきた。
槇野は事故を目の当たりにしていて、槇野も泣き腫らした顔をしていた。
「結花ちゃん…この子、穂高君が助けた女の子」
「あ…そうなんだ………こんにちは?」
「……こんにちは」
女の子はちよ子の後ろに隠れた。