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向日葵を君に…
第11章 向日葵を君に…
ちよ子がロビーに行っている間、槇野と二人になる。
「高野…あのさ、これ事故の日に穂高が高野に買ったプレゼントなんだけど預かってくれないか?」
槇野は大きな紙袋を差し出した。
袋はガムテープでしっかり閉じられていて、中身は見えなかった。
「まだ開けるなよ?預けておくだけだからな?あー…でも、誕生日に渡せないと穂高が悲しみそうだからな…誕生日になったら穂高と二人の時に開けてやって」
「…なんかすごく大きなプレゼントだね」
「誕生日の前に中身見えたら穂高に怒られそうだからさ…俺が袋入れ替えたんだよ」
「ふふっ…槇野も気が利くんだね」
「ハァ?俺は誰よりも気が利く男だろ?」
槇野は穂高のベッドの横に腰を掛けた。
「穂高、一応預けておいたけど高野の誕生日までこんな事してるわけないよな?全く。自分で高野にプレゼント渡せよな…」
そう言いながら槇野が泣きそうになっているのが見えて、私は病室をそっと出ていった。