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向日葵を君に…
第11章 向日葵を君に…
毎日の様に誰かが穂高に会いに来ていた。
今日も担任の熊田先生と前の担任の望月先生夫妻が赤ちゃんを連れてやってきた。
誰かがお見舞いに来た時は病室から出る。
今日は槇野とちよ子も来ていて、ちよ子と病院の中庭のベンチにいた。
ちよ子他愛のない話をして気を紛らわしてくれる。
ずっと泣きっぱなしだったから、少しだけ気が楽になるのですごくありがたかった。
「高野ぉぉっ!!」
病室に残っていた槇野がものすごい形相で私達の元に走ってきた。
「ハァハァー…早くッ…病室戻れ!穂高が意識戻った」
「え…ウソ…」
突然の報告に動揺してしまう。
すると、槇野は脱力したようにその場に座りこんだ。
「弘貴!?大丈夫?」
「ハァ…何か…何か…穂高が意識戻って…くッ…」
「結花ちゃん、私はしばらく弘貴に付いてるから早く病室戻って!私達も後から行く」
「あ…うん」
私は急いで病室に戻っていった。
もうすぐ…もうすぐ…穂高に会える…。