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向日葵を君に…
第11章 向日葵を君に…
「穂高ッ!!」
先生達とお医者さんに囲まれた穂高が目だけこちらを見つめていた。
本当に…本当に…意識が戻ったんだ…。
嬉しくて…今までの寂しいさとか色んなものが一気に溢れてきて私は入り口で動けないでいた。
さっき槇野はこんな状態だったのかも。
「高野さん…穂高君の傍まで行かなくちゃぁ〜」
動けないでいた私を望月先生が優しく穂高の横まで連れていってくれた。
「ゆ………か…」
穂高はかすれた声でゆっくりと私の事を呼んでくれる。
処置が終わると、お医者さんは穂高の両親と話す為に病室を出て、先生達は気を利かせて二人きりにしてくれた。
涙がこぼれそうなのをグッと堪える。
こんな重症の状態で突然目が覚めて、すごくツラそうな穂高の前で泣けないよ…すごくツラいのに私の心配までさせちゃ駄目だ。
「ッ…穂高…」
すると、穂高はゆっくりと手を伸ばして私の頬に触れた。
「し…んぱい……かけて…ごめんな?」
「ふッ…」
駄目…堪えられない。
「馬鹿穂高ぁ…フウゥッ…」
私、こんな事しか言えないなんて…。
堪えようと思ったのに堪えられないし、今の私は本当に弱りきっていた。