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向日葵を君に…
第4章 キャンプ
出発してしばらくすると、一番口数の多かった天井が明らかに静かになっていく。
それもそのはず暑い上に上り坂が多い。
「…ちよ子、大丈夫?」
「うん…」
よく見ると高野が天井の背中を押してあげていた。
「そこの木陰で休憩しよう」
男の体力と女の体力の差をあまり考えてなかった。
俺と弘貴が余裕でも小まめに休憩取らないと。
「なんだこれ!ちよ子の荷物どんだけ重いんだよ?」
「あ…だって…色々必要かと思って…」
「絶対にいらないもん入ってる…開けるぞ?」
泊まり用の荷物じゃないとしても天井の荷物を勝手に漁れるのは弘貴の特権だ。
「何でトランプ入ってんだよ!」
「休憩の時に暇だったらやるかと思って…」
「救急箱…箱じゃなくて良いだろ!中身だけ袋に入れて来いよ!…あー!昨日の準備の段階で見てやればよかった」
弘貴はそう言って天井の無駄な荷物を自分のリュックに移した。
「た、高野!よかったら高野の荷物重い物あったら俺、持つよ!この先長いし」
…拒否られるかな?
「じゃあ、よろしく」
高野は俺に荷物を差し出す。
持ってみるとかなり重い…っつーか俺のリュックの倍は重い。
「これはむしろ…荷物交換しよう」
「あ、そう?持ってくれるならなんでもいいけど」
高野の荷物ならいくらでも持ってやろう。