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い・け・な・い・こ・と
第13章 新たな門出への挑戦
好葉は小学校生活を残り少しにした この時期、新しい事へチャレンジの最中であった。

その挑戦とは、私立中学校への受験である。

この受験に合格しない事には、頭ごなしに今後の学生生活に支障をきたす事にも成りかねないのである。


それよりも好葉にとってはその学園の吹奏楽部への入部が泡と消え失せ、もうひとつの夢も打ち砕かれる事となるのだ。


試験内容は学業テストと面接で 特に面接での自己PRが重要らしく、好葉は大好きな吹奏楽で挑戦する事に決め、面接では楽器の演奏を行う予定だ。

演奏は小学校からやっているトランペットでトライするらしい。

断定的な言い方が出来ないのは、この時点で好葉は自分の楽器を所有していなかった為である。

それでも好葉は放課後、音楽室へ足しげく通いつめ楽器を借りては練習に性を出していたらしい。

以前より好葉は施設から幾度となく私へ電話を掛けてよこしては楽器を買って欲しいと哀願していたのだ。


そして、いよいよその試験の前日に好葉は施設の車で私の家へと帰って来たのです。


好葉は帰って来るなり、玄関に荷物を放り出し 落ち着かない様子で私の処へ駆け寄り ただいまの挨拶もせずに


「ねぇねぇ、良さんどうなったの??」

と、問いただして来たのである。

「あぁ 大丈夫だ心配ないよ。私の書斎に有るから持っておいで!」

そう言うと、小走りに書斎から買ったばかりのトランペットを持って来て、ワクワク顔でケースを開けたのです。

「嘘!! これ新品じゃない。本当にいいの? ありがとうございます。」

「いいのさ、好葉がこれから大切に使ってくれればいい事だからね。それに好葉は絶対合格するから心配していないさ・・・」


この後、私の言葉どうり好葉は期待に応えてくれるのである。
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