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花に酔う
第4章  椿 * 


分かってる。
分かってるけどこの手がどうしても離せない。


僕の知らないところで。
彼女は命を絶つという。

僕が気付かないうちに。
その命は失われるという。

そんなのどうやったら耐えられる?
耐えられない。
耐えられるわけない。


生き続けることが苦しいと彼女は言う。
彼女の願いなら何でも叶えてあげたいと……ずっと思って、実際そうしてきた。

でもこれは。
これだけは。


「……っ……ほんとに苦しいの。
もう無理……お願い――――……」


……ああ。
とうとう彼女が泣き出した。


そんなに死にたいの?
泣くほど、そうしたいの?

彼のいない世界で生きることは、それほどまでにつらいの?

僕がいても。
何の救いにもならないの?


彼女の中の、僕という存在。
それは彼女にとっての生きる希望にはならないと……言葉の端々から突きつけられる、残酷な現実。


ひく……と。
しゃくりあげながら、涙を零す彼女を見ていたら。
ふ……と。
突然、その考えが浮かんだ。


そんなに言うなら。
どうしても、って言うなら――――。




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