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花に酔う
第4章 椿 *
……もうきて、と――――。
彼女が落としたのは、耳元へのそんな呟き。
甘い誘惑のような言葉に、まるで夢の中にいるような感覚を覚えた僕。
……促されるままにすべて脱いだ。
絡まり合う足と足。
少し、冷たい……彼女の指先。
寒い? と聞いても。
黙って首を振り、自分の足のあいだに僕を迎える。
「……初めてなんだ」
正直に言うと、彼女は小さく微笑んで。
大丈夫だよ……と、その潤みに僕を導いた。
本能がそうさせるのか――――何を考えたわけじゃないのに、勝手に僕の身体は彼女のなかへと進んでいく。
僕の腕を掴んでいる彼女の手に、力が入るのが分かった。
きついそのなかをこじ開けるようにして進む。
そんなふうに僕は、彼女とひとつになっていく。
根本まではいったのが分かっても。
もっと奥深くに――――そんな思いが、さらにぐいぐいと彼女に腰を押しつける行為となって。
僕のものに絡みついてくるような彼女のなか。
襲い来る快楽に、震えた。