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花に酔う
第4章  椿 * 


今はただ、何も考えずにこの行為に没頭したい。
ずっと想い続けてきた彼女と身体を交わらせているこの時間だけは……何もかもを忘れて、そうしたい。


ぎりぎりまで引き抜き。
そしてまた奥に突き挿れる。


彼女を想い、繰り返してきた自らの手による慰め。
実際に彼女に触れることなどないんだろうと諦めながら、それでも触れたいと願う気持ちは止められず。
止められないままの欲望はそうやって解放するしか術がなかった。


それが、今――――。


頭の中で想像していた彼女よりももっと……こんなにも艶めかしい顔をしながら僕に抱かれる彼女。


突き上げる度に小さく声を漏らす。
僕を見つめたまま。
だから僕も彼女を見つめる。
どんどんと荒くなっていく息。
ふたりの……呼吸。


単調な動きでも、初めての僕には刺激が強くて。
あっという間に高まっていく射精感。
唇を噛み……耐えた。



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