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花に酔う
第4章 椿 *
そんな僕の首に彼女は両腕を回し、ぐいっと引き寄せる。
なかにいいよ……と。
耳元に、熱い吐息に彩られたその囁き。
その理由を考える余裕などなく、許された僕は、そこに向かってただひたすらに彼女の身体を揺らした。
ぞくぞくと背中を駆け抜ける、たまらないほどのその気持ちよさ。
我慢の限界などもうとっくに越えていたから。
だから――――程なくその時は訪れて。
思わず漏らした呻き。
彼女の身体を抱き締め……同じように返されながら。
まるでしがみつくようにして、その奥に放った欲。
……何度も。
何度もそこが痙攣した。
あたたかな彼女のなかに包まれている確かな感覚に何だか泣きそうにもなりながら、その開放感を身体中で味わう。
大きく息を吐き、彼女を見つめた。
僕の頬に添えてきた、その両手。
求められるままに口づける。
――――離したくない。
啄むように味わう柔らかな唇。
――――失いたくない。
こんなにもあたたかな身体。
いかないで、と思わず呟いていた。