この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
花に酔う
第4章  椿 * 


その手紙を手にしたまま、障子を開けた。

差し込んでくる光。
何だかすごく眩しくて。


目を細めるようにしながら降りた庭。


中心まで歩き。
ポケットの中を探り、取り出したライター。

躊躇うことなく、彼女の手紙に火を点けた。


……あっという間にそれは燃え。
彼女の遺した言葉は真っ青な空に消えていく。


静かにそれを見つめていると、不意に後ろから名前を呼ばれた気がして。
え……? と思わず振り向いた。


僕の視界には誰の姿もない。


けれど――――。


彼女がさっき綺麗にしてくれたはずの木の下に……一輪の、椿の花。


……新たに落ちたのか――――。


近寄り、拾い上げた。
少しも痛んでいない、とても綺麗なその白。

手にしたまま部屋に戻り、横たわったままの彼女の傍らに膝をつく。

一度畳の上に花を置いて。
そのまま両手で抱き起こしたその身体。

頬にかかった一房の髪を、手でそっと払う。



/129ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ