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花に酔う
第3章 金木犀 *
「金木犀。いい香りでしょ?
近くのおうちで植えててね。いい香りだなあって思って見てたら、枝ごと少し分けてくれたのをこうしたの。
……可愛いでしょ?」
少し得意気に話す彼女。
甘く、爽やかな香りが部屋に満ちている。
「うん。いい香り」
「よかった。
寝る部屋にも飾ってあるよ?」
「そうなんだ」
思わず笑みを漏らすと、彼女もつられたように笑った。
その可愛さに、たまらず抱き寄せる。
軽く口づけただけなのに。
それだけでそこは反応してしまって。
気付かれないようにそっと離した身体。
……彼女を愛せる夜が、待ち遠しいと思った。