この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
花に酔う
第1章 紅薔薇
その夢のあと。
目覚めると、いつも私は泣いていた。
だって。
だって貴方の心がだんだん私から離れていっていること、気づいていたから。
それは私には、止められない。
そう……きっと貴方自身でさえも。
いつから素直になることを忘れてしまったのだろう。
いつから信じ続けることができなくなってしまったのだろう。
愛しているのに。
素直になれなかった。
愛しているから。
信じきれなくなった。
些細なことを疑って。
試して。
責めて。
そんな私の言葉が、行動が。
きっと貴方を傷つけた。
その小さな傷は、どんどんと広がって。
貴方の中にあったはずの私への想いも……いつしか傷つけ始めて。
……そうして貴方の心は。
私から少しずつ、離れていって。