この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
花に酔う
第3章 金木犀 *
……こんなに香り、強い花だったかな……。
くらくらとしそうなほどのそれを感じながら。
私は俯いたまま、ただ立ち尽くしていた。
奪われてしまったブラ。
ショーツだけの姿を、彼の目の前に晒している私。
手で、胸を隠して。
「きつかったりしたらすぐに言って?
加減とか……よく分からないから」
小さく頷くと。
「……じゃあ。両手を後ろでくっつけて?」
そう、静かな口調で言われ。
私はそれにおとなしく従った。
この一種独特な雰囲気の中。
胸を彼の目の前に晒すのがなんだかすごく恥ずかしかったけど、すぐに彼は私の背後に回ったから。
「縛るよ」
その言葉と同時に、ネクタイが。
ぐるぐると、両手に巻き付けられた感覚。
少し不安になって振り向こうとした身体は彼に制される。
「痺れたりしたらすぐ言って?」
動かないでね、と。
その優しい口調に私はこくんと頷いた。
きゅっ、と。
とうとうそこで縛られて。
私の両手は、動かせなくなってしまった。