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花に酔う
第3章 金木犀 *
「……いいよ」
そう言うと、彼女は自分から胸元で両の手首を寄せた。
僕はシーツの上にあったその深い赤を手に取り、彼女の両手首にぐるぐるとそれを巻き付ける。
幾重にも。
「……きれい」
その胸元で、赤に縛られた彼女の両手。
涙と汗でぐちゃぐちゃになっている顔。
頬の火照りが色っぽくて――――。
僕はそのまま身体を倒し彼女を抱き締めた。
その手のせいで胸元を合わせられないもどかしさを唇を重ねることで満たしたくて。
激しく……舌を絡めて。
彼女の喘ぎごと、呑み込む勢いで。
「んぅ……っ、はっ……」
もう充分に深くなかにはいりこんでいるのに。
もっと深く、彼女の体内を侵したい。
口づけたままさらに腰をいれ。
ぐりぐりと先で奥を擦る。
「んんっ!」
達してしまったのか、彼女はびくびくと身体を震わせ。
唇を離した途端に激しく喘ぎ、涙を零す。
そしてまた、捕らえたその唇。
「っ……んぅ、っ!」
首を振って逃れようとする頭を押さえる。
離れることを許さない僕の胸元でもどかしそうに動く彼女の縛られた手――――。