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第3章 　金木犀　＊　

充分に高まっていた身体。
奥を擦られてあっという間に達してしまった。

でも私はまだ解放されない。
貪るような激しい口づけを与えられ。
頭も身体も麻痺してしまったかのような感覚に陥った。
彼は上半身を起こし、私の身体を囲むようにして両手をシーツの上につく。


「……ひとりで勝手にいったの？」


はあっ、と深く息を吐くと同時にその言葉を。


「……っ、ごめ……なさ……」


私も、荒い息の合間に。
彼を見上げながら、はあはあと答える。


ずんっ、と。
その状態で、奥を突かれ。


「っあんっ！」


敏感になっている身体を容赦なく、彼は。

私の身体に触れもせず。

腰だけを使い。
なかを。


「っつ……あ、やっ、まってっ……」


腰を激しく打ち付けてくる音。
ぐちゅ、ぐちゅっ、と。
いやらしい音がしてる繋がったそこ。
きっともう、どろどろに溶けてる。


もう、そこだけ。

触れ合っているのは。
繋がっているのは。

だから勝手にそこに持って行かれる。
私の心も。頭も。全部。


「っあ……や、壊れる、っ……！」


気持ちよすぎて、ぶるっと震えた。
きゅうっと、そこが勝手に締まる。


逃げられない、身体。


背中を仰け反らせて。
彼が与えてくれる快楽に、没頭せざるを得ない。
私にはそれしか選択肢がない。
だって彼からは逃げられないのだから。
彼が許してくれるまで。
この快楽から逃れることはできないのだから――――。