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花に酔う
第4章 椿 *
幼馴染みの、彼女と僕。
小さい頃からいつも一緒で、それはずっと変わらないはずだった。
僕はずっと彼女が好きだったし、そばにいつもいる僕のことを彼女も幼馴染み以上に見てくれていると思っていた。
周りからだって、僕たちは付き合っていると思われていたし、あらためて想いの確認なんてしなくてもわかっていたっていうか──そう、そんな関係。
僕に甘えて。
僕を頼って。
ともすればわがままに思えてしまうような言動でさえ、僕にとっては嬉しいもので。
彼女のそばで彼女を見続けることが何よりの幸せだった。
彼女が僕だけに心を許してくれるのが嬉しかった。
この関係は、これから先も変わらない──。
そう思っていた。
当然のように、思っていた。
──そう、彼が現れるまでは。