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花に酔う
第4章 椿 *
けれど。
だからといって僕から完全に離れようとするわけでもない彼女。
相談できる相手は僕だけ、と言いながら、その唇で彼のことを語る。
彼と会えないときは、相変わらず僕のそばにいて。
しまいには、大事な友達なの、と僕を彼に紹介までする始末。
愛されている余裕からなのか、僕の存在を普通に受け入れる彼。
余裕のなさを悟られたくなくて、何でもないことのように彼に接する僕。
僕たちが親しくしているのを嬉しそうに見る彼女。
その関係は奇妙な三角形を描きながらも──明らかに、邪魔者な僕だった。