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花に酔う
第4章 椿 *
「だから謝りたい……謝りたいの――――!」
僕の腕を掴み。
僕を見上げて。
涙でぐちゃぐちゃになった顔で。
「早く彼に会ってそうしたいの……!」
だから逝かせて。
どうか止めないで。
そう縋るように僕を見つめるその顔。
首を振って、拒否した。
「どうして……っ!?」
驚いたように目を見開き。
そしてすぐに苦しそうなそれへと変わるその表情。
僕が再び首を振ると、彼女は感情の荒ぶりを押さえきれないとでもいうかのように僕の胸をどんどんと拳で叩き始めた。
どうして、だなんて。
こっちが聞きたい。
どうして分からないんだと。
どうして僕の気持ちが伝わらないんだと。
さっきのある意味遠回しな告白さえ。
彼女はさらりと流し。
そうして、反対に自分の罪悪感を口にし。
こんなふうに……彼への深い想いを僕の前で口にする。