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第4章 　椿　＊　

「――――っ……！」


思わず、彼女を強く抱き締めた。
戸惑ったのか、彼女の動きが一瞬止まって。
それから、もがくように身体を動かし始める。


「離してっ……！」


その言葉に、反対にさらに腕に力を込めた。


離さない。
離すもんか。


だって。
だって僕は。

ずっと前から。
小さい頃からずっと――――。


「離さない」


そう答え。
耳元で、続けた。


……好きだから、と――――。