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花に酔う
第4章 椿 *
「……死んだら彼に会えるなんて本気で思ってるの?」
僕のそんな意地悪な質問にも。
「……じゃあ……生きていたら会える?」
そんなふうに切り返す。
「答えになってないし」
「……そっちだって」
ふ、と。
少しだけ口元を歪ませるように笑った彼女は。
生きてても会えないのは確かだから、と。
そう、ぽつりと呟く。
「……気持ちは変わらないの?」
その問いにも頷いて。
僕が何を言ってももう無理なのだと。
……そんな、態度で。
僕の口から発せられる、深く長い溜め息。
僕にはもう……彼女を止める術がない。
僕が発するどの言葉も、その衝動を抑止するものにはならなかった。
もう……本当に彼女を諦めざるを得ないのか。
この絶望からはもう……逃れることができないのか。
もう無理なのだと思いつつも、諦めたくない自分もやっぱり間違いなく僕の中にいて。