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可愛いヒモ~番外編
第2章 採用

 仕事を教わると言ってもお姉さんは主にホールで働く人だし、俺はキッチンで雇われた。だからその人から教わったのは、本当に基本的なことのみだった。
 お客さんに対応する時の接客用語だったり、店でのマナー、ノロウイルス対策の手洗いだったり身だしなみだったり。あと休みたい日の希望の取り方。
 俺から見たお姉さんの印象は、よく笑う人、だった。初対面の時から思ってたけど、素で笑う人。実際その笑顔が素かどうかなんて本人にしかわからないけど、少なくとも俺にはそう見えた。
 あとは気さくで話しやすい。結構前からの知り合いというか、友達みたいな感じだ。その反面、異性としてまったく意識できなくて、ついついきつい突っ込みを入れてしまうようにもなってしまった。
 その店でバイトを始めて二週間ほど。その頃には平気で下ネタを言い合うようになっていた。って言っても、振ってくるのはほとんどあっちだけど。呼び方も、下の名前を覚えて覚えてうるさくて、何日か名前にさん付けで呼ばされていたせいで、友梨香さんで定着してしまった。
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