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可愛いヒモ~番外編
第2章 採用
「や、麻人ぉ」
語尾を伸ばした甘ったるい声。……なんて声で人の名前を呼ぶんだよ。
そもそも俺の行動が原因なんだけど、一瞬それも忘れてしまうほど、友梨香さんの声や仕草がエロティックで。
ようやく服の中の氷の欠片が溶けたのか、友梨香さんは浅く息を吐いてほっとした顔をした。腕には鳥肌が立っている。
「麻人ー! 何すんの馬鹿!」
いつもの友梨香さんの声。……怒ってるけど。
だけど俺の頭からはさっきのエロティックな友梨香さんの声と仕草が離れなくて、とっさに視線をそらした。
「なーに変な声出してんすか。ちょっと氷入れただけですよ? 感じちゃったんですか?」
友梨香さんに下ネタを振られた時も、いつもならそんなセクハラみたいなことは言わない。だけどその時はちょっと焦っちゃって、とっさにそれが口をついて出た。
友梨香さんもかわせばいいのに。
何も言い返してこないどころか、みるみる耳たぶまで真っ赤になっていく。
え、何その反応。図星なの? ちょっと氷入れただけで感じたの? どんだけ敏感なんだよ、と思った。