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可愛いヒモ~番外編
第2章 採用

 だけど確かに今の声は、『最中』の声を連想させたけど。
 今まで一度もそんなふうに見たことがなかった友梨香さんを、異性として、性的な対象として見てしまった瞬間だった。

「……気色悪い」

 反応しかけた下半身を隠すのと静めるのに必死で、つい辛辣な言葉を呟いてしまう。
 ……そもそも完全に俺が悪いんだけど。服の中に氷を入れるとか、よく考えなくても女性にすることじゃない。

「最っ低!」
「わっ」

 おしぼりがまとめて入った袋をぼん! っと投げつけられる。
 そんなことがあって、俺が友梨香さんに対してちょっと申し訳ないような気まずいようなことを思っていた時期が少し続いたけど、当の友梨香さんは、けろりとしていた。もう数分後には普通に話しかけてきたし。
 なんだこいつって感じだ。
 だけどやっぱりその事件はインパクトが強くて、時々性欲が溜まった時なんかに、思い出すことがあった。
 友梨香さんの、エロい声や仕草。
 それからしばらくは、特に何も起こらなかった。相変わらずシフトがかぶればよく話してたけど。臨時でホールにも出されてしまい、友梨香さんと話す頻度は少しだけ増えた。
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