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可愛いヒモ~番外編
第2章 採用
そんなある日のこと。友梨香さんとの後々(のちのち)の関係のきっかけになった一番の転機は、多分これ。
いつものように他愛もない話をしていた時。ふいに思った愚痴を、冗談混じりにこぼした。
「もうすく就活始まるんすよねー。マジ面倒。俺、誰かのヒモになりたいなぁ」
「は!? ヒモ!?」
もちろん冗談だったけど、友梨香さんのくいつきっぷりが面白くて、話を続けた。
「だって楽じゃないっすか? 働かなくていいし」
「でもヒモって、なんでもしなきゃいけないんだよ? 嫌じゃないん?」
「まあ、金貰えるなら」
それくらい、俺だってわかってる。いつものように、下ネタを絡めてからかってくると思ったのに、友梨香さんの次の一言は、予想の斜め上を行くものだった。
「じゃあさ、三日間だけ私のヒモになる?」
「……は!?」
友梨香さん曰く、女の一人暮らしだから家事とか面倒くさくて、掃除や洗濯をしてほしいのだという。泊まりでおいでって。しかもそれだけで、一日一万くれるとか。
今週三連休なのを思い出し、だから三日間て言ったのかとあとになって知った。