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可愛いヒモ~番外編
第2章 採用
「……さと、ねえ、麻人ってば」
自分の名前を呼ぶ声。ぼんやりと意識が覚醒してきて、俺は薄く目を開けた。
「やっと起きた? もう、こんな格好で爆睡してたら風邪引くよ。髪濡れっぱだし」
言われて、下着とタンクトップ一枚で友梨香さんの部屋で寝てしまってたのに気付く。シャワー浴びてそのまま寝ちゃったみたい。
見下ろしてくる友梨香さんの顔を見上げ、違和感。髪色も長さも違う。髪色は明るくなってるし、背中まであったはずの髪は肩より少し長いくらいになってるし。
「あれ、友梨香さん髪切ったんですか?」
「はあ? だいぶ前に切ったじゃん。今さら何言ってんの?」
そこで、ちょっと拗ねたように唇を尖らせる。
「てか、ねえねえねえねえ。なんでまた敬語と、さん付けに戻ってんの! 私敬語萌えとかないから」
「んー……」
ダメだ眠くて、言葉が頭に入ってこない。
「んー……」
「また寝る気か、コラ! 服来て、ベッド行けっての!」
そのまま腹の上にどーんと乗られ、その衝撃に息が詰まる。慌てて上半身を起こした。
そこでようやく完全に頭が覚醒した。