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可愛いヒモ~番外編
第1章 面接
俺を見る女性の瞳が、大きく見開かれる。
俺はその時になって初めて、まともにその人の顔を見た感じだった。髪は、ウェーブがかった暗めの茶髪。一つに縛って帽子の中に入れていたから、長さはわからない。目は、少しつり上がった猫目で、二重だった。瞳の色は茶色。
すっぴんなのかナチュラルなのか、化粧してる感じがない。ものすごく美人てわけじゃないけれど、なんか、しっかりしてるお姉さんて感じ。
身長は女の人のわりには高いと思う。俺とそんなに変わらない。すらりとした、細身だった。年齢は、二十代前半くらいか、半ばくらいかな。
不躾に全身を観察してしまってから思う。あんまりじろじろ見るのは、相手に失礼かもしれない。
だけど相手の女性も俺と同じくらいか、もしくはそれ以上に、俺のことを観察していた。特に顔。
何秒くらいガン見されていたか。突然指を差されて一言。
「あんた可愛いね!」
「へ?」
第一声が、それ?
驚きすぎて、唖然としてしまった。
「あ、りがとうございます……」
とっさに出てきた社交辞令の常套句も、変になまってしまう。