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可愛いヒモ~番外編
第1章 面接
「おい、おまえその子に手ー出すなよ! 食うなよ!」
「出しませんし食べません!」
店長の一声に、その女性は振り向いてそう反論する。
「ごめんねーなんか面接中に割って入っちゃって」
「大丈夫です」
「あ、食べないから安心してね」
「え、あ……、はい」
「もう面接は終わった感じ?」
「……多分」
「じゃあ、帰ろうか」
「あ、はい。ありがとうございました」
帰るだけなのに、わざわざ違う従業員にパスする必要なんてあるのかな。そう疑問に思いながら、その女性に促されるまま休憩室を出た。調理場を通り、客達がいるホールへと歩く。
女性の一歩後ろを歩きながら、ちょっときつそうな見かけによらず、とてもフランクによく話す人なんだなぁと思った。
店の外まで見送られ、女性は軽く手を振った。
「今日はお疲れ様。また、多分来週くらいに」
「でもまだ受かってるかわかんないですけどねー」
もう採用が決定したような口ぶりで言うので、ついそう突っ込みを入れる。
だけどその女性は、首を振った。
「多分、あなた採用だと思うよ? 雇う子じゃないと、店の外まで見送らせたりしないから、店長」