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可愛いヒモ~番外編
第4章 女子力アップ大作戦
そしてそのまま、ゆーりの部屋に行くと。
「わー、そっちはダメ……ッ」
ゆーりに腕を掴まれる。だけどその時には部屋のドアは開いてしまっていた。
キッチンよりもさらに甘っとろい匂いがして、見慣れたテーブルの上には色とりどりのお菓子……らしきもの。真っ黒いクッキーや可愛いカップに入ったクリーム色の液体、固まり過ぎたゼリーや、崩れたケーキなんかが、乱雑に置かれていた。
「…………お菓子作りしてたの?」
「……はい」
ゆーりは俺の横で、がっくりと頭(こうべ)を垂れていた。
ふいにばっと顔を上げて、
「金曜の動物園まで会う予定なかったじゃんっ! だから今のうちに練習しとこうと思ったんだよっ!」
「お菓子作りを?」
「うん……」