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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち

それからも変わらず俺は楓と屋上でサボり、帰りは楓と帰った。
屋上から見る空の景色も、帰りに落ちていく真っ赤な夕日も大好きだった。
近所の肉屋のコロッケを二人で買い食いしたり、くだらない冗談を言い合って、楓を送る。
それだけなのに、俺の中ではそれが宝物みたいに思えた。
俺は頭が小学生のまんまなのかもしれない。
あの時は男女関係なく遊んでても誰も冷やかしたりしなかった。
高校生になった途端、SEXだの、彼女だの言われて何でも枠に嵌めようとする。
俺は楓とは友達で、それ以上でもそれ以下でもない。
楓が俺に告白してきたら、この関係は終わり。
俺はきっともう楓を呼ばなくなる。
この関係が心地いい。
俺が学校に通う理由の一つになっている。
楓はいつも、屋上から何を見ているのか。
サボっても曇った顔のまま。理由は知らない。
聞く必要が無いと思った。
知ってほしけりゃ自分から言うだろうと。
お互いの事をあまり知らないくせに
特別な存在だと思うのは変なのだろうか。
俺にはよく分からない。

