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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち




「達巳君、あたしと付き合ってくれない?」

そんなことを言われたのは、放課後。

朝から降っていた雨が止み、虹が出ていた。

湿気独特の空気感は、気分が滅入る。

楓を連れてさっさと帰ろうとした時だった。

茶髪に濃いメイクの女子が俺に近付いてきて、そう言った。

教室には、まだまだ生徒がいて皆珍しそうに見ている。

俺の返事を今か今かと待たれている空気が嫌で、その女の腕を掴んで教室を出た。

早足になっていたせいか、女は止まってと何度も言っていたが無視した。

玄関まで来た時、俺は漸く腕を離し向き合った。

「告白ってさ。ああいう大勢居るなかでされると困るんだけど」

自分が思ったよりも低い声が出ていると気付いた。

「ごめん。でもあたし本気なんよ」

「悪いけど、そんな時間無い。俺、自分のことで精一杯やし」

「でも!楓とは一緒におるやん?あたしもそれくらいでいいから。少しでもあたしと過ごして欲しい。達巳君の傍におりたいんよ」

今にも泣きそうな声で、叫ぶ。

チラホラ居る生徒は好奇の目で俺たちを見る。

正直面倒くさかった。

女も折れる気無さそうだし、楓との事を言われたら言い返せなかった。

気付いたら、俺はいいよ、って答えてた。

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