この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

その時だった。
校内アナウンスが入る機械音が響いて、すぐに達巳の名前が呼ばれた。
Γとりあえず、俺は職員室行ってくるわ。楓、ごめんな。文化祭やったのに」
あたしの頭を優しく撫でると、達巳は来た方向に向かって歩いていく。
Γ達巳!行かんといてよ!」
Γ大丈夫。ちゃんと説明するから」
何が大丈夫なの?
何を説明するの?
教師が納得のいく答えなんて、持ってないくせに。
泣き出してしまいそうなあたしを摩耶が抑える。
Γ達巳ー!」
叫んでも、達巳は振り返らなかった。
摩耶はとりあえず、写真を剥がしに行こうとあたしの腕を引っ張って歩き出す。
Γ今は、写真を回収しよ?すごい人だかり出来てるから」
あたしは、涙で歪んだ視界の中、写真部が展示してある教室へと歩く。
何で、そんな写真が出回っているの?
達巳をマークしていたの?
分からないことだらけで、頭がクラクラする。
どうか、達巳が悪くなりませんように。
お願いします、神様……。

