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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

写真部の展示がある教室はすぐに分かった。
廊下まで溢れている人だかり。
そこにあるのだろう、達巳の写真が。
摩耶はあたしの手を強く握り、目で合図をする。
あたしが頷くと、摩耶は大きな声で人混みを掻き分けた。
Γどけ、どけ~!!」
ドスの効いた声に、周りが何事かと少し離れていき写真が展示してある壁までの道が出来た。
視界に映ったのは、達巳がスーツを着た男とソファーに座って話している所や、段ボールのような箱を持って走る達巳。
その他にもざっと、30枚ほどの写真が展示してあった。
摩耶はそれを勢いよく剥がしにかかり、あたしも急いで剥がした。
周りの生徒はそれを見ながら何か言っていたがそんなことどうでもよかった。
達巳は、今頃職員室で教師に責められているのだろうか。
せっかくの文化祭だったのに。
許せない、この写真を展示した写真部を。
どこかで、見ているのだろうか?
必死になっているあたしたちを。
写真部の生徒の顔を知らないあたしは、見渡しても分かるわけが無かった。

