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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

◇
Γどういうことや?」
担任と生徒指導の先生が俺の前で仁王立ちしている。
職員室に入るなり、俺は別室に移動させられた。
誰が写真なんか撮ったのか。
そんなことは、もうどうでも良かった。
ただ、楓との楽しい時間を引き裂かれた事に胸が傷んだ。
Γ知り合いに紹介してもらって、少しバイトしてました」
Γ何のバイトや?」
Γ配送の仕事です。頼まれた物を指定された場所に運ぶだけの簡単なバイトでした」
Γほぅ。怪しそうなスーツの男は誰や?」
Γ社長ですね。僕もあまり話す機会が無いので詳しくは分かりません」
生徒指導の先生は目を細め、俺を睨む。
担任は腕組みをし、何かを考えるように唸っていた。
これ以上は、何も言えない。
写真が出ている以上、あの場所を訪ねられたらアウトだ。
どんな写真かは分からないけれど、少なくともスーツの男はカズさんだろう。
Γとりあえず、校長先生とも話して、処分を検討する。それまで達巳は謹慎だ。いいな?」
Γはい。分かりました」
終わったな。そう思った。
謹慎が処分に入らないのならば、残されたのは退学のみ。
元を辿れば、俺が悪いのだから。
覚悟は出来た。

