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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

思えば、出会ったとき楓はとても冷たい目をしていて周りは皆、敵というか。そんな雰囲気を持っていた。
割りと声をかけるのは緊張したっけ。
それから、一緒にサボるようになってから楓は少しずつ笑顔を取り戻した。
ああ、こんな風に笑えるんだって。
少しずつ、話をする度に楓に惹かれていく自分が居た。
けれど、恋人になる気も無くて、幸せになれるとは思えなくて、特別な女友達として大事にしてきた。
楓について、嫌な噂を耳にしたのは楓と話すようになってから、一月後。
どうやら、一つ学年が上の先輩に呼び出されているとか。
女子からは、ビッチだと言われていると聞いて、呼び出して何をされてるのかは安易に想像出来た。
何故、楓があんな冷たい目をしていたのか、理由が分かった気がして、友達づたいに先輩を特定した。
大事な友達を傷つけているゲス野郎を呼び出して、屋上でタイマンをはった。
声を荒げ、威勢は良いが喧嘩の腕前は全然で、俺はすぐに捩じ伏せた。
Γいいか?楓に手、出すなや?次、出してみろ。これだけじゃ済まねぇから」
それだけ言って約束させ、俺は、屋上を出た。
それからは、ちゃんと約束を守ってくれたようで楓の表情は見る見る明るくなった。
それが、嬉しくてこのまま楓の隣にずっと居たいなって思い始めたんだ。

