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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇


放課後、指定された空き教室に入ると机の上に乗っかって携帯を触っている彼が居た。

あたしの入る音に気付き顔をあげると手招きしてきたので、彼の前に立った。

Γあの…昼間は」

Γメアド教えてよ?」

Γえ?」

彼はあたしの言葉に被せるようにそう言った。

Γだーかーらー、メ、ア、ド!」

聞こえてないと思ったのか強調される言葉に頭はまたハテナマークが浮かぶ。

Γ俺、郷田俊樹。お前は?」

Γ…斎藤楓です」

Γ楓な。じゃあ携帯出して」

郷田俊樹は、痺れを切らしてあたしのブレザーのポケットをまさぐる。

Γちょっと!出しますから!自分で!」

慌てるあたしを見てケラケラ笑う郷田俊樹に良い印象は無かった。

むしろ、こういうタイプは嫌いな方。

絶対、自分に自信があって誘えば断る女は居ないとか思ってる系男子。

虫酸が走る。

仕方なくあたしは携帯を取り出したが、一向に開こうとしない携帯を見て、今度は郷田俊樹がハテナマークを浮かべたような顔をしていた。

Γ交換しようや。何、嫌なの?」

Γよく分からないんですけど、先輩があたしを呼びつけた理由も、メアドを交換する意味も」

そう言えば、郷田俊樹は豪快に笑った。



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